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2025 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ  第7戦 鈴鹿サーキット

  • 投稿カテゴリー:RACE
レース概要 / Race Overview
日時 2025年10月25-26日
場所 鈴鹿サーキット
天候 10月25日:雨/ハーフウエット,ウエット
10月26日:雨/ウエット
監督 加賀山就臣
ライダー #3 水野涼
リザルト <Race1>1位
<Race2>1位
レース レポート / Race Report

この週末は、本州南の海上に停滞する秋雨前線の影響により、不安定な天候になることが予想されていた。実際、金曜深夜から早朝にかけてサーキットには雨が降り、ハーフウエット路面から時間の経過とともに乾いていく微妙なコンディションの中、9時35分から40分間のJSB1000クラスの予選が行われた。気温は17度、路面温度も上がらず18度という低温の中での予選となった。水野涼選手は計測1周目に2分16秒805で2番手、2周目に2分11秒670で2番手、3周目に2分08秒813と着実にタイムを上げていく。途中、2回ほどピットインしてセットアップを行い、終盤には2分06秒418、2分06秒151と連続して2分6秒台をマーク。この結果、レース1・レース2ともにフロントロウ3番手からスタートすることとなった。

レース1は小雨がパラつく中、路面は完全にウェットにはならない微妙なコンディションでスタート。ドライタイヤを装着するライダーも数人いたが、水野選手はウェットタイヤを選択してサイティングラップに臨み、そのままグリッドに着いた。ホールショットを奪った水野選手は逆バンクで一度パスされるも、直後のデグナー一つ目でインに飛び込みトップへ。そこからペースを上げて後続を引き離し、一時は5秒の大差をつける独走態勢に。ラスト2周の時点で転倒者が出て赤旗が提示され、レース1はそのまま成立。水野選手は開幕戦以来の優勝を果たした。

10月26日は午前中にウォームアップ走行が、午後にはレース2が行われた。

朝8時55分から15分間で行われたウォームアップ走行は、気温17.6度、路面温度17.0度というコンディションでスタート。水野涼選手はマシンの確認のために1周してピットイン。マシンを乗り換えてコースに戻る。計測1周目に2分24秒088で3番手、2周目に2分21秒164で2番手と着実にタイムを詰め、3周目には2分19秒745でトップに立つ。この時点で2位との差を0.896秒に広げた。さらに4周目では2分19秒505をマーク。ラストラップで逆転されたものの、このセッションを2番手で終えた。その後、雨は弱まったが止むことはなく、13時40分のレース2スタート時間を迎えた。

前日同様、決勝に向けたウォームアップ走行ではトップでコースインする水野選手。気温20.2度、路面温度19.8度というコンディション。順調にスタートを切った水野選手は、S字入口で3番手に上がり、シケインでトップに立つ。2周目に2分19秒台へペースを上げ、後続を引き離そうとする。しかし、ポールポジションの浦本修充選手も2分19秒台で走行し、前日同様に二人のマッチレースとなる。4周目に水野選手が2分17秒9までタイムを上げたのに対し、浦本選手は2分18秒4。この時点で両者の差は0.9秒まで広がった。さらに差を広げようとした矢先、セーフティカーが導入され、その差は一気にリセットされてしまう。8周目にセーフティカーがピットに戻り、レースはリスタート。水野選手はペースを上げ、その差を1.9秒、3秒と広げ、最終的には8秒の大差をつけてフィニッシュ。鈴鹿で行われるMFJ-GPで6連勝を飾ることとなった。

水野涼選手
Ryo Mizuno

■10/25(土)
今年は開幕戦で優勝してからすぐにケガをしてしまい、最終戦までなかなかうまくいかないレースが続いていたので、こうして優勝という形でチームに今シーズンの苦労を一つ返すことができて、本当にうれしかったです。レースはウェットコンディションになってしまいましたが、このウイーク中は一度も雨が降らず、ぶっつけ本番でのウェットレースになりました。そのため、序盤のペースは誰もつかめず、どれくらいのペースで走ればいいのか分からない状況だったと思います。僕自身は「序盤が大事」だと感じていたので、コースイン時のサイティングラップでタイヤの皮むきを行い、ウォームアップでもさらにペースを上げてタイヤに熱を入れ、皮がしっかり剥けるように意識して走りました。それが結果として、序盤からペースを上げて後続を引き離す展開につながりました。終盤は雨量も増えて視界が悪くなり、かなり危ない状況でした。転倒者が出る前からすでに雨量が多すぎる状態だったので、レースコントロールの判断としてはもう少し早く赤旗を出しても良かったと思います。ここで気を抜かず、明日も勝って最終戦・鈴鹿で3年連続優勝を達成し、今シーズンを締めくくりたいと思います。

■10/26(日)
今回は正直、雨に助けられました。ドライでも日に日に良くはなってきていましたが、浦本修充選手のドライでのペースが非常に良く、それが気になっていました。自分がそこまでのレベルに到達できているかは分かりませんでした。ドライでも十分戦えるとは思っていましたが、確率的には雨の方が勝率は高いと感じていたので、コンディションが味方してくれたと思います。朝のウォームアップ走行では浦本選手がどれくらいタイムを上げてくるか注目していましたし、実際に最後に自分のタイムを塗り替えられ、「やっぱり来たか」という感じでした。レース2に向けては、「昨日、自分は勝ったんだぞ」と言い聞かせていましたが、正直、昨日以上にレース前は緊張しました。レースが始まって序盤は少し遅れてしまい、前に野佐根航汰選手がいて、その前に浦本選手が強引に出ていったので、「自分との間に壁を作りたいんだな」と感じ、そうはさせまいと1周目の130Rで少し強引に抜きました。それが結果的に良い判断だったと思います。そこから流れが自分に来たように感じました。ただ、リスクを負ってまで攻める必要はないと思ったので、しっかりタイヤを温めてからペースを上げるという作戦を遂行しました。それがうまくはまりましたね。優勝という形で復活できたことは本当にうれしいです。ありがとうございました。

加賀山就臣 監督
Yukio Kagayama Team Manager

■10/25(土)
予選からコンディションが難しく、スタート時点ではウェットパッチがかなり残る状況でした。自分も「ラスト5分勝負だな」と予測していましたが、水野はその中でも早い段階からウェットパッチが残る状態でしっかりと良いタイムを出していました。今日の彼のモチベーションやメンタル面が非常に良い状態だったと思います。レース1も難しいコンディションで、当初はドライタイヤで行く見込みでしたが、雨の状況を見てサイティングラップはレインタイヤで出走しました。その後グリッド上で一度ドライに変更しましたが、再び雨脚が強まったため、急遽レインに戻しました。昨年からですが、水野とパニガーレは雨との相性が良く、ウェットでもすぐに良いタイムを出せる傾向があり、水野自身もレインコンディションには自信を持っていたと思います。その期待に応え、確実に結果へとつなげてくれた水野は本当に素晴らしかったです。雨のコンディションであっても1勝は1勝。チーム全員で、まずはこの勝利を喜びたいと思います。明日はドライでもウェットでも勝てるように準備し、水野の「最終戦3年連続優勝記録」を達成させてあげたいと思います。日本でのケガ、さらにマレーシアでのケガと、思うようにいかない時期が続きましたが、予選日あたりからアドレナリンが出始めて、良い流れで今日を迎えられたのだと思います。期待して応援してくださるファンやスポンサーの皆さん、本当にありがとうございました。時間はかかってしまいましたが、ようやく優勝を報告できて嬉しいです。引き続き明日も全力で戦います。

■10/26(日)
今年5月のマシン炎上以降、なかなか良い流れをつかめず、苦しいシーズンとなってしまいました。しかし、そこからの復活を、たくさんの方々の応援によって達成することができました。まずは応援してくださった皆さんに感謝をお伝えしたいと思います。朝から雨だったので、ウォームアップ走行では前日のレース1を終えた段階でライダーから出ていた要望に対応しました。雨量が多いときに不安定になるという指摘があったため、それを改善するセットアップを施してレース2に臨みました。マシンを良い状態に仕上げてくれたメカニック陣も素晴らしい仕事をしてくれましたし、水野の走りと戦略もうまく噛み合いました。その結果、MFJ-GPで6連勝を飾ることができ、良い形で今シーズンを締めくくれたことに、まずはホッとしています。

レースレポートPDF版
10/25(土)
JSB1000 公式予選/Race1

レポートPDF
10/26(日)
JSB1000 Race2

レポートPDF
Standings
Rider/Entrant Standings

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